ウイリアム・モリス No,2 [アート関連]
Red House
ウイリアム・モリスは家を建てる場所を探してここのロンドン郊外のケント州ベックスリーヒースに決め、
綿密な事前調査の後、一年を費やして建築された。
(入居は1860年モリスは前年にジェイン・バーディンと結婚)
友人のウエップと北フランスのゴシック建築を見て周り中世的な雰囲気のある設計にしました。
また建物全体はL字型の左右非対称の当時としては斬新な設計にし、
外観はもちろん内装に至るまで普遍的な美しさを追求した家づくりを目指しました。
ここの場所はかってカンタベリー大聖堂とロンドンを結ぶ巡礼の道を望む土地でした。
左側に尖塔アーチ形の深い入口ポーチから装飾扉を開けて室内に入ります。
赤レンガも漆喰による仕上げをせずにそのままレンガの質感をいかし屋根は急こう配に。
これはL字型家屋の背面にあたる部分。
家には這うように梨の木をつたわせるように配しています。
このあたりの土地は肥沃で果樹園も多いのでそれも土地選定の大きな理由にもなりました。
広い裏庭も家の設計にこだわったように独創的に四季折々の果樹や草花を配した。
彼はこの庭の豊富な種類の草花に着想を得て数々の壁紙やテキスタイルのデザインが産み出しました。
庭にある木に赤や緑のリボンンが巻かれていますがこれは願い事をかなえるために
訪れた人たちがくくりつけたもの。
この木の下とかで恋が成就した逸話でもあるんでしょうね。
このような木を「ウイッシング・ツリー」と言います。(Wishing Tree)
農作業の道具などを保管する小屋。
目の錯覚のようですね横から見ると姿がこんなに変化しちゃいます。
Red House の裏側部分を記事にしただけで長くなってしまいました。
Red House の正面部分など全体は今回記事に載せきれなかったので次回させていただきます。
ウイリアム・モリスの壁紙Acanthusはこちら (V&Aミュージアムのページにリンクしています)
天井の模様画Borageはこちら (V&Aミュージアムのページにリンクしています)
ウイリアムモリスの言葉
「家の中に役に立つかわからないものと美しくない物は置かないこと」
「家の中に役に立つかわからないものと美しくない物は置かないこと」
これって名言ですよね。
「家の中に役に立つかわからないもの」なんだけど、
だいすきで「美しいもの」のとき、
いつもこの言葉が頭に思い浮かびます。(笑
by きむたこ (2009-09-29 21:16)
ええっ、まだイントロなんですかあ?
by cjlewis (2009-09-29 22:44)
きむたこさん:
役に立つかどうか判断に困りますね。自分の物欲を満足させることには
役立つけれど飽きもあります。美しいものを置いたつもりでも美意識が変わってしまうこともあってこれは悩ましいことですね。
by いっぷく (2009-09-29 22:52)
cjlewis さん:
バスに乗ってここまで来て、見た順に写真を並べています。
美しい家とはこの記事の庭園部分も家の背面も含まれていると思います。
本題に入っているつもりなんですよ。
by いっぷく (2009-09-29 22:56)
玄関の奥行きがある家、憧れます。私が青春時代に書いた詩に出てくるリンロットハムは大きな黒い扉の洋館です。
農具の小屋も好いですね。ほっとして、寛ぎたくなってしまいそうです。
by アヨアン・イゴカー (2009-09-29 23:35)
工芸と芸術を統合させるArt & Craft運動のウィリアム・モリスのRedHouse!
有名だけど、こんなにたくさんの写真を見るのは初めて。うれしいです。
赤レンガだから、RedHouseってきいています。
みごとな英国式庭園ですてき。アーチ型の部分は、モネの庭とそっくり。モネも庭の花を描いていたけど、モリスも庭の植物からヒントを得たんでね。
なるほど~。
母も叔母もモリス柄のリバティプリントが大好きで、カーテンやテーブルクロスに使ったり、ブラウスを着ていました。
内装は、モリスのお得意な分野。家の中が楽しみです。
by TaekoLovesParis (2009-09-30 00:09)
Red Houseの外観は瀟洒でもあり、何だかユーモラスにも見えます。
特に3枚目は、2階の窓が目で1階のゲート部分が口。
4枚目の左側出っ張り部分がおかっぱ頭の顔と首のようです^^
ちょうど週末にイングリッシュガーデンを訪ねたばかりだったので、庭の写真に親しみを覚えました。
この植栽からあのテキスタイルが生まれたんですね♪
by てんとうむし (2009-09-30 00:31)
そうですね
確実に使うものだけ置いておくべきですね。
勿体無い
は、駄目ですね。
by 八犬伝 (2009-09-30 00:32)
素敵な家ですね。
>美しくないものは置かない
そうありたいです。
by nyankome (2009-09-30 00:47)
モリスの言葉に思わず『うわぁーー!』と、プチ衝撃。
これを唱えながら片付けたら、ぜったいきれいな家になると思うのです。
by pistacci (2009-09-30 00:55)
とても素敵な建物にお庭ですね!
ターシャのお庭みたい☆
by ホタルの館 (2009-09-30 04:34)
フランス庭園でしたか、幾何学模様のものより自然を取り入れたこういうもしゃもしゃの庭が良いですね。
かかしは、日本のと同じようですね^^。
by 斗夢 (2009-09-30 05:36)
我が家の中は、役に立つかわからないものと美しくないものであふれています...
by YAP (2009-09-30 08:01)
アヨアン・イゴカー さん:
部屋数もざっと15以上あるかなというほどの大きな館です。
庭の手入れをしてほっとくつろげる小屋ですね、
でもモリスが道具を持って庭に手入れをしている姿はだれも見ていない
そうです。
by いっぷく (2009-09-30 08:54)
Taekoさん:
実はこのレッドハウスの写真は300枚以上の写真を撮ってあるんですよ。
それを抜粋して載せるのは迷いが生じる作業です。
この赤レンガの色の建物はロンドンのチェルシー地区に一部見られる建物群と
同じレンガですね、建築された時代もほぼ同じです。私のところもこんな赤です。
この家をナショナルトラストが手に入れたのは2003年で、かなり修復を要する作業が
膨大でいまだ修復途中です。壁紙なんかは劣化してしまいもたないですからね。
持ち主も変わって手を加えてしまった部分やオリジナルの絵を塗りつぶしてしまった
りでまだまだ修復は時間のかかることでしょう。
ほんの一部ですが次回にご紹介したいと思います。
by いっぷく (2009-09-30 08:59)
てんとうむしさん:
わかりました!あの部分が顔ですね、今度は顔に見える建物とか探して歩こうかな、
いろいろ見つけられそうですね。
やはり本物の植物を観察してデザインの源にしたんですね。
モリスの壁紙三部作の「格子垣」「ヒナギク」「果実」が描かれたといわれています。
四季折々の果実、草花がモリスは自慢だったようです。
by いっぷく (2009-09-30 09:17)
美しくないものや役に立たないものだらけ。
反省。
小屋だけでもとてもかわいいですね。
窓枠の白とその幅のバランスがかわいい。
次回も楽しみです。
by dot-dot (2009-09-30 09:22)
八犬伝さん:
片づけられない人にはなりたくないですが、
判断力が試されますね。
by いっぷく (2009-09-30 09:27)
nyankome さん:
美意識などは心がけ次第でどんどん変化してしまいますね、
したがって切り捨てていくのも必要なのかなと思います。
by いっぷく (2009-09-30 09:29)
pistacci さん:
モノにあふれている現代ではかなり難しいことだと思います。
便利さを求めれば物が増えることもあるでしょう。
でもモリスの言葉には含蓄がありますね。
by いっぷく (2009-09-30 09:32)
手間がかかっていて、住み心地の良さそうな家と庭ですね。
次回、家の様子が楽しみです。
by ナツパパ (2009-09-30 09:38)
モリスの言葉…肝に銘じます。
by ぽんこ (2009-09-30 09:42)
ホタルの館さん:
ターシャの庭も素敵ですね、憧れます。
by いっぷく (2009-09-30 09:44)
斗夢 さん:
植物には本来の姿で成長して花が咲いて、果樹には実をつけてもらう。
ここの果樹園も元々あったものを伐採しないように心がけたそうです。
建物と同じように独創を重視したようです。
by いっぷく (2009-09-30 09:49)
YAPさん:
モリスの生きた時代はやはり産業革命により
工業製品が氾濫した時代で物にあふれる現代にも
通じますね。
by いっぷく (2009-09-30 09:52)
dot-dot さん:
あの小屋、瓦が一番低いところは地上から1メートルほどなんですよ。
小さな鉢が置かれているのでなんとなくおわかりになると思います。
ミニハウスというところでしょうか。かわいらしいですね。
by いっぷく (2009-09-30 09:56)
ナツパパさん:
モリスはこの家を芸術と思想の核になると位置付けて
日々の生活を美しく心地よい空間にするという彼の強い
信念のたまもののようです。
by いっぷく (2009-09-30 10:02)
ぽんこさん:
他にもモリスは言葉をたくさん残しているのですが、
質を高める生活の追求を信条としていました。
by いっぷく (2009-09-30 10:06)
とても長い時間が、この家を風格あるものにしていますねぇ。
レンガの朱色、深い緑や色鮮やかな草花、
眺めているだけでも心が豊かになりますね(笑)
身の回りの、役に立たないものたちが、
愛おしく思えて捨てられません。
どう見ても、美しくないことは確かなんですが・・・(笑)
by 1275GT (2009-09-30 12:45)
レンガ造りの建物は重厚感がありますね。
ヨーロッパにはいちばん似合う建築物なんでしょうねぇ。
by cocoa051 (2009-09-30 13:44)
小屋がかわいいです♪ でも半分しかないんですね ^^
そこがまたおもしろくていいなぁ。
ウイリアムモリスの言葉・・・
今部屋を見回したら 役に立たないものと美しくないものが
山積みです ><
by mire3030 (2009-09-30 14:32)
絵本や本の挿絵に出てきそうな風景ですね。
by youzi (2009-09-30 15:37)
美しい建物ですね~
お庭も素敵ですね^^
家の中がどんな風なのか気になります~
by miffy (2009-09-30 16:10)
わぁ。またもや、おうちに顔がいっぱい (^m^)
みんな 少し眠そうな顔をしていますね?
半分に割ったような小屋も、面白いです!
by うに (2009-09-30 17:10)
家の中、ウイリアム・モリスの言葉に反するものばかりかも・・・。
引越に役に立つプラスチックケース収納が多いけど、美しくないしなぁ。
以前から何となく雰囲気が似てるなぁと思ってたら、
Edward Burne-Jones って、ウイリアム・モリスのお友達だったんですね。
by Inatimy (2009-09-30 17:45)
家にそわせた梨の木の配置はしゃれてますね。
まぁ本人の意図ではないんでしょうけど。
なんだかかわいい家ですね。
by すうちい (2009-09-30 18:18)
一切の無駄を排したことへの美しさと、それを維持する美しさ。
建築には美学がありますね♪
by ねじまき犬 (2009-09-30 23:19)
こんにちは。
上の写真、窓がみんなこっけいな顔に見えてしまいました。
by sig (2009-10-01 10:17)
「家の中に役に立つかわからないものと美しくない物は置かないこと」我が家は、ほとんどだめですね。貧乏性で、私の代で読まなくても孫に読んで欲しいと思い込んで、もう40年・・・。積読です。片付けべたは、仕事ができない人という言葉は聞いた事がありますが・・・。
by hide-m (2009-10-01 17:55)
お庭がとっても綺麗です!
ここから創作のインスピレーションを得ていたとは納得です。
イングリッシュガーデンは沢山の(種類)花をうえると先日知ったので、
最近私も真似ています。
そして、ウイリアムモリス、ずっと前TBSの番組で特集していたので、
少し知っていたのですが、部屋の壁紙や絨毯、カーテンなども自分で
デザインしているんですよね、普通の人間じゃないですね、笑。
でも、自然やお庭を大事にするところは凄く共感します。
by sourire (2009-10-01 22:05)
赤レンガの家、ほんとに顔みたいでかわいいです。
Wishing Treeって、日本人がおみくじを木に結びつけるのと似てますね。
by チヨロギ (2009-10-01 23:17)
1275GTさん:
モリスは立方体の左右対象の家を好んでいませんでした。
そしてレンガそのものの味わいを大切にしたそうです。
身の回りの役に立たないけれど精神的に満たしてくれるものに
囲まれていますが取捨は難しい問題ですね。
cocoa051さん:
レンガ造りは積木と同じでどのようなデザインにも
対応しますね。隣近所とデザインが違っても
街並みは統一されますね。
mire3030さん:
半分だけの小屋って意外な発想ですね。
いろいろ出しておいて便利な生活をしたいと思うと
どうしても部屋が片付かないですね、
モリスの言葉の実践は難しいです。
youziさん:
たくさんの緑に囲まれてレンガ造りの洋館、
絵になりますね。
miffyさん:
モリスは室内も芸術の館として地上の楽園を目指した
そうです。そこで生み出されたものを事業として成り立つように
内装全般の仕事を請け負う会社を設立します。
うにさん:
窓を丸にしたり長方形にしたりディフォルメされた人の顔の
パーツに近いものがありますね。
顔シリーズで街を見つけ歩くのも面白いですね。
Inatimyさん:
バーン・ジョーンズとはオックスフォード大学時代からの
一番親しい友人で生涯の友でした。
仕事でも一緒にかかわっていきます。
モリスはこの家を増築してバーン・ジョーンズと一緒に住むことが
夢でしたがかないませんでした。
すうちいさん:
家にナシの木を添わせたのはモリスの意思なんですよ。
その意思をついで再現して保存活動をしています。
これは洋ナシの木ですね。
ねじまき犬さん:
設計を依頼されたウエップはシンプルであること、
建物の造形的な美しさと環境が一体になることを実現し
後年アーツ・アンド・クラフト建築の父とみなされるようになります。
sigさん:
ちょっと張り出た部分なんか滑稽な顔に見えますね、
でも行った時にはそんな風に感じませんでした。
いまはそう見えますが。
hide-mさん:
積読ですか、いつか役に立つといいですね。
私も資料と決めつけ書棚にある本で1年に一度も
出して読まない本のほうが圧倒的に多いです。
隙間があれば押し込んでしまうという習慣にさえなってます。
sourireさん:
イギリスの人はガーデニングが国民的趣味のようです。
たくさんの植物を植えてその風景を楽しむんですね。
モリスはお金持ちですから自分の考えを庭師に実現してもらっていた
ようで、庭仕事は自分でしなかったようですが。
庭は家と同じくらい重要だって言っていたようです。
チョロギさん:
日本のおみくじを木に結び付ける慣習を思い起こしましたね。
どこの国も同じようなことをしているんですね。
by いっぷく (2009-10-02 15:43)
最後の言葉、展覧会にもありました。
そんな暮らしをしたいのですが、「もったいない」っと
結局仕舞いこんでいるものがたくさんあります(><)
イギリス人はお庭にとっても拘りを持っていますよね。
キレイな草花が身近にあって、あの素敵なデザインが
生まれたのですね☆
by michie (2009-10-02 22:04)
Wishing treeって日本の神社のおみくじをくくり付ける木みたいですね。その次の写真は「かかし」でしょうか?日本的なものが写っていて面白いです。
by hideyuki2007y (2009-10-03 19:59)