ビアトリクス・ポターの水彩画 [ミュージアム関連]
ビアトリクス・ポターの*学生時代に描いた水彩画がロンドンの**V&A ミュージアムに展示されている。
ポターは***ピーターラビットのお話の原画および原作者として知られています。
*SCIENCE AND ART DEPARTMENT OF THE COMMITEE OF COUNCIL ON EDUCATION
**ヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアム Victoria & Alvert Museum サウスケンジントンにあります。
***ピーターラビットのお話は1901年~1913年に書かれています。
※Beatrix Potter(1866-1943)
金曜日の夜8時過ぎということで館内のこのあたりには人影がありません。ゆっくり鑑賞です。
ポターの特に優れている観察眼が静物画においても発揮されている。
絵を描く対象をよく観察するというのは基本なのですが、
それを絵筆でもって表現するには水彩絵具の特性をよく知ることも必要で、
彼女は若いうちから素描の指南書などを参考に独学で訓練を重ねていきました。
彼女はコンスタブル、ゲインズバラやターナー等の絵画からも学んだと言っています。
(Constable,Gainsborough,Turner)
また、子供の頃は植物を観察したり、小動物を飼って観察することを
飽きずにしていたそうです。
その観察力とリアルな描写力は以後地衣類、菌類、藻類の研究で活かされ
数多くのスケッチや細密な絵を残しています。
Still life drawing of a vase and pomegranates
November 1881 Watercolour over pencil
Stil life drawing of a salt-grazed stoneware jug and bananas
jun 1881 Watercolour over pencil
Still life drawing of grapes and peaches October 1883
Watercolour over pencil
入場無料 開館時間 10:00 to 17:45
写真撮影可
金曜日は夜10時まで開館しています。
ビアトリクス・ポターはロンドンに生家があります。
現在は幼稚園になっていますがその家の塀を撮った写真を掲載しています。
私のこちらの記事にリンク
私の記事でピーターラビットの湖水地方
V&Aでのこれらの絵の展示場所は、とてもわかりにくいところにありますので、現地で尋ねられるといいでしょう。
以前に展示はなかったので、おそらく、期間限定かもしれません。(2012年3月現在、絵が変えられていますがポター特集です)
しかし、これらの絵が展示されなくなってもミュージアムにポターの原画を見たいと予約すれば、
予約で決められた時間に直接原画を見せてくれるサービスがあります。
詳しくはお問い合わせを。
A History of the 'Old Water-Colour' Society,
- 作者: John Lewis Roget
- 出版社/メーカー: BiblioBazaar
- 発売日: 2009/11/21
- メディア: ペーパーバック
A History of Water-Colour Painting in England
- 作者: Gilbert Richard Redgrave
- 出版社/メーカー: BiblioBazaar
- 発売日: 2008/08/21
- メディア: ペーパーバック
- 作者: Henry Warren
- 出版社/メーカー: BiblioBazaar
- 発売日: 2008/10/09
- メディア: ペーパーバック
Catalogue of Ancient and Modern Pictures, Water-Colour Drawings,
- 作者: Christie, Manson & Woods
- 出版社/メーカー: BiblioBazaar
- 発売日: 2009/08/19
- メディア: ペーパーバック
Catalogue of the Collection of Ancient and Modern Pictures, Water-Colour Drawings
- 作者: Christie, Manson & Woods
- 出版社/メーカー: BiblioBazaar
- 発売日: 2009/08/19
- メディア: ペーパーバック
>絵筆でもって表現するには水彩絵具の特性をよく知ることも必要で、
つくづくそうだと思います。道具は使いこなさなければ道具としての意味がありません。しかし、奥が深く、難しく、時間が掛かるものだと思います。
by アヨアン・イゴカー (2011-08-14 13:16)
とってもすばらしい記事でした!
ビアトリクスの生涯を描いた「ミス・ポター」という映画があって、これも
とってもよかったのです。ビアトリクスが小さい頃、小動物を飼っていた
話もでてきました。映画からは、絵が好きで、想像力に長けた人という
印象でしたが、画家の命である観察力に秀で、水彩の特性を知って描
いていたのですね。
実際に描いた絵の「jug and frutis」2点を見たとたん、エミール・ベルナールやモーリス・ドニの描いた同じような構図の絵が浮かびました。
時代的にも同じで、セザンヌより後ですね。
見たいです。
by TaekoLovesParis (2011-08-14 13:45)
静物も、いいですね。
温かいまなざしですね。
by nachic (2011-08-14 15:34)
なかなか貴重な展示ですね。
これが無料とは。
by YAP (2011-08-14 17:45)
写真を撮ってもいいんですね!
by 斗夢 (2011-08-14 19:16)
ピーターラビットの絵が大好きで、
学生の頃 児童文学の先生からポターのことを学んで
とても刺激を受けました。
貴重な水彩画ですね。
紹介してくださってありがとうございます。^^
by うに (2011-08-14 19:42)
精密なタッチで描かれた静物画ですが、
温かみが感じられてとてもいいですね。
水彩画は大好きです。
良いものを見せていただきました。
by 1275GT (2011-08-14 21:46)
日本でもロンドンの暴動のニュースが報道されていますが、いっぷくさんがいらっしゃる地域は大丈夫かしらと案じていたところでした。
ヴィクトリア・アンド・アルバート・ミュージアムに、こんなにポターの作品が収蔵されていたとは♡
予約すれば展示期間外でもみられるサービスというのは素晴らしいですね!
秋に予定していた旅行を、来年の春に延期しようかと思案中だったのですが(どちらにしてもバラの季節が必須ですが^^)、ポターのこの作品たちは必ず観なくちゃ♪
by てんとうむし (2011-08-14 22:52)
動物以外の絵を初めて見ました!
結構ポターの展示はありますが、動物メインが多い気がします。
最近ロンドンは物騒みたいですが、お気をつけて。。
by Jen (2011-08-14 23:28)
コンスタブル、ターナーに学んだ、というと、英国絵画の正統ですね。
さりげない画風が素晴らしいと思います。
by ナツパパ (2011-08-15 08:13)
「ミス・ポター」映画も楽しく観たのを思い出します
ナショナルトラストのはしりですよね
by pace (2011-08-15 14:52)
人がいない美術館って、なんだか独り占めしてるみたいで贅沢な感じですね。
この方がピーター(動物)以外を描くんだって初めて知りました。ちょっと素敵です…
by dogwood (2011-08-15 15:40)
アヨアン・イゴカー さん:
水彩画はとても習得するのに確かに奥が深くて、自分の表現したい色を出すのが
とても難しいことだと思います。
道具を使いこなすのは一朝一夕にはなかなかいかないのが現実ですね。
by いっぷく (2011-08-15 20:28)
Taekoさん:
ありがとうございます。
いまだに映画の方は観れていませんがいつか観たいと気にかけております。
彼女の父もよく彼女の素質を見抜いていてその方面の指導を受けられるよう
な環境をつくるのに熱心だったようです。
陶磁器や果物を描くには対象物の硬さや重さなど質感を表現するにはとてもいい
題材だと思いますね、画家の美意識や力量をみれるし興味深いです。
by いっぷく (2011-08-15 20:46)
ポターは学生時代既に、こんなに素敵な絵を描いていたんですね。
ピーターラビットの絵本は、子供の頃祖母に買ってもらいました。
今でも手元にあります。
ウインダミアに1度行きましたが、冬だったせいか
蒸気機関車は走っていませんでした。残念。。。
by みち (2011-08-16 23:34)
15歳でこんなにリアルなバナナが描けるなんて・・・。
見たものを2次元で再現する技術がスゴイなぁ。
南の果物のバナナ、当時は貴重だったでしょうね。
by Inatimy (2011-08-17 05:15)
こんにちは。
ピーターラビットを見て湖水地方が好きになり、ナショナルトラストの活動を知りました。ポターという一人の女性が暗黙のうちにそこに導いてくれた童画の原典。すばらしいものですね。
by sig (2011-08-17 08:45)
子供の頃からこういうふうに描いたり観察したりして
基礎が出来てるからステキな作品が描けるんだと思います。
by とみっち (2011-08-18 16:48)
nachicさん:
静物は子供の頃の印象では、なんでこういう題材を選ぶんだろう?
なんて疑問に思ったことありましたが、自分が成長するにつけて
鑑賞にはいいなぁと思えるようになっていきました。
by いっぷく (2011-08-19 13:31)
YAPさん:
無料のところを身歩くだけでもみきれないほどなので
よほどでないと有料にはいきません。
by いっぷく (2011-08-19 13:33)
斗夢 さん:
写真撮影はこのミュージアムの一般展示に関しては自由です。
資料を自分で集めるのにもそれはいいことと思います。
by いっぷく (2011-08-19 13:35)
うにさん:
ピーターラビットのお話が突出して世界的に有名になったものですから
それは致し方ないことですが、その物語をつくる上で彼女の観察眼と
描写力は多いに役立ったことでしょうね。
児童文学と言えど大人だって十分楽しめる質の高い作品だと思います。
by いっぷく (2011-08-19 13:39)
1275GTさん:
普遍的な題材を選んだために時代が特定できないほど
上質な水彩画になっていますね。
ここまでの描写力は学んだだけできない才能があるのではと
思わざるを得ません。引き込まれてしまいました。
by いっぷく (2011-08-19 13:43)
てんとうむしさん:
心配ありがとうございました。
このミュージアムは展示物の入れ替えをよくします。
以前見たのにもうないとか、これは新しいとか,出かけると発見があるので定期的に立ち寄ります。
よい企画も盛りだくさんで時間が取れれば行くようにしている一番親しみのあるミュージアムとなっています。
楽しみなメールマガジンも発行しています。
春の季節もいいし、初夏もいいし、暖かい季節のロンドンはとてもいいですよ。
by いっぷく (2011-08-19 13:50)
jenさん:
>動物以外の絵を初めて見ました!
キノコは研究者としてもボタニカルアーティストとしても当時一流でした。
研究用の図鑑などにも載せるほどでした。
静物画もとても魅力的ですね。
by いっぷく (2011-08-19 13:57)
ナツパパさん:
コンスタブル、ターナーは英国の誇りとも言える画家。
そこから学べることも大いにあってでしょうね。
by いっぷく (2011-08-19 14:14)
paceさん:
ポターが移り住んだ地域一帯がナショナルトラストの
管理下にあってこれからも景観がかわらずに残るというのは
すばらしいことですね。
by いっぷく (2011-08-19 14:17)
dogwoodさん:
静かに鑑賞できるミュージアムは大好きです。
あまり人が多いときはどうも集中できません。
空いている曜日、時間帯を把握してますので
そんなときに利用しています。
by いっぷく (2011-08-19 14:20)
みちさん:
世界中で読まれている本の作者の才能はやはり天性のものプラス
努力があったからでしょうね。
ウインダミアの風景はやはり花の咲く季節に一度行かれるとまた
趣が違ってよいかと思います。秋にはキノコもいっぱい出るそうですよ。
by いっぷく (2011-08-19 14:34)
Inatimyさん:
あの当時で\よくバナナがあったものですね、
海洋貿易が相当発達してたんでしょうね。
それでも貴重な果物には違いないでしょう。
15歳でこの絵を描いたとは信じられないほどですね。
by いっぷく (2011-08-19 14:37)
sigさん:
ナショナルトラストの活動は広範囲に及び現在では膨大な面積になるそうです。
ポターの住んだ湖水地方の管理もすばらしいものでこの景色が
今後も続いていくと思うとすばらしい仕組みだと思います。
by いっぷく (2011-08-19 14:50)
とみっちさん:
基礎をしっかり身に付いた上でピーターラビットの
世界を表現していったわけですね、揺るぎない自信も
あったことでしょう。
by いっぷく (2011-08-19 14:56)
ピーターラビットの絵とは全く違った感じの絵も
描かれてるんですね♪
by oko (2011-08-20 06:53)
okoさん:
まだピーターラビットを書くきっかけになった
湖水地方に引っ越す前ですからね。
ロンドンに住んでいたときのものです。
こうした絵を描いてしっかり基礎を学んでいるんですね。
by いっぷく (2011-08-25 11:35)